組踊を観てきました

かなり久々に組踊を観てきました。
東日本大震災復興
第5回 組踊・舞踊地謡研修部合同発表会
野村流音楽協会具志川支部
という、ちゃんと書くと長いタイトルの公演です。
長いですがタイトルをちゃんと読めばどういう公演なのかが一目瞭然ではありますね。
ラジオの生放送を終え、バタバタと会場に向かいました。
けっこう駐車場もいっぱいで、イマイチ人気の無さげな公演という最初の印象でしたが、見事にハズレ&失礼しましたという反省…
幕開けに、稲まづん節・早作田節の斉唱。
舞踊に瓦屋、高平良万歳、かりゆしの踊り、仲里節、南洋浜千鳥、金細工。
組踊は手水の縁でした。
幕開けの斉唱は、組踊・舞踊の両研修部員と先生方が出演。私の師匠も出ておりました。
アナウンスって難しいんだろうなあとは思いつつ気になったのは「稲まづん」。
ウチナーグチでの正式タイトルは「ンニマジン」なんですが「イニマジン」との紹介。
稲、いねだからイニでも良いんだろうけど、曲紹介する時ってどっちだろう…
自分ならンニを使うかなあと…
昔は組踊や舞踊を観る時って九一か八二ぐらいの割合で踊りをメインに観てましたが、さんしん始めた今は七三か六四ぐらいで音楽メインで聴いている自分を改めて認識。
より深く観れてるんじゃねえかなと、いつものように良い方に解釈。
組踊の立方は親泊久玄組踊研究会の皆さん。
その昔、沖縄ジャンジャンによく観に行ったものです。久玄先生の組踊。
手水の縁てこんなに長かったんだと思いつつ、ホントに地謡受けというか、歌いたい歌が揃った演目だなあと思いました。
残念な点として、セリフから歌に変わる時の、音程狂い。
これは組踊地謡の最大のポイントかも知れません。
チルと声がナーメーメーなってる部分がありました。
ウタモチなしで声、声楽を先に出す。これはホントに難しいようで、自分もやった事ないのでここではじぇったい批判はしません。
自分もいつかやらかすかも知れないのでその時の予防線です…
とりあえず高度な技、ということです。
で、また自画自賛になりますが、
こうして本式の「手水の縁」を観てみて、ちょっと前にやった「山戸と玉津」もかなり良かったなあと思いました。
今日来てたたくさんのお客さんにも我々の山戸と玉津、観て欲しいなあ…
再演しないかなあ…?
舞踊では金細工の地謡がちょっと変わったバージョン。
カナーヒーのセリフ部分の歌詞を男性が、モーサーとアンマーのセリフ部分の歌詞を女性が歌うというものです。
と言ってもさんしんが男性、箏が女性という分け方になってましたが…
これは舞台スタッフとの打ち合わせが無かったのかなんなのか、さんしんには当然ボーカル用のマイクがあてられてますが、琴にはナシ。
これじゃ女性の声が小さくなるのも当然。
バランス悪かったです。
自分の所属する組踊地謡研修部でもこの試みやってまして、そちらは女性のさんしんの方が女性の歌を担当しています。
琴弾きながら歌うってのもなんだか特殊な感じするし、例え箏&ボーカルのマイクがあったとしてもどうかな?という感じです。
だしよ、そもそもだけど、この男性女性で歌い分けるっていうもの、
正直、イワンワジャ だと思います。
あ、これ、上層部批判?
まあいいや。
自分もよくイランワジャは色んな所でやってます、ラジオで、舞踊で、芝居で、さんしんで。
イランワジャのスペシャリストとして言わせてもらえば、センスも無いし、クオリティも低いイランワジャだなと。
まあクオリティは稽古や音響でなんとかなると思いますが…
ひっちーイランワジャしてる自分だからこそ、真面目な事をしたくて古典を習っている部分もある訳でして、王朝時代のサムレーが遊ぶにしても、こんな事したかなあ?するかなあ?とか考える訳です。
てか、もっと言えば、さらにそもそもですが、
野村安趙の野村流な訳で、琉球王朝時代の音楽。
方や明治以降の芝居の中から生まれた金細工。
野村安趙の時代に金細工は無かった訳だし、無理があるような…
お屋敷に住んでて世俗に疎いセレブなお坊ちゃまが、ある日町に出て来て頑張って俗っぽい音楽をやってみたが滑りっぱなしで可哀想みたいな…

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